湘南ベルマーレのユース世代、トップチームを10年以上にわたり指導してきた曺貴裁監督。
2021年シーズンからは地元の京都サンガを指揮し、12年間J2で苦しんだクラブを1年でJ1昇格に導いた名将です。
そんな曺貴裁監督が2019年に湘南を退任し、流通経済大学でコーチをしていたことはご存知でしょうか。
今回の記事では曺貴裁監督が湘南を担任しなければならなかった事件や戦術、現役時代、子どもなどを紹介します。
今回の記事ではわかることは以下の内容です。
この記事でわかること
〇曺貴裁監督がパワハラ事件で湘南を退任
〇曺貴裁監督の現役時代
〇曺貴裁監督の戦術・フォーメーションについて
この記事の信憑性は以下の内容です。
この記事の信憑性
〇小学生からサッカーをはじめ社会人リーグでもプレー
〇大学時代は指導者を目指し、地元クラブのコーチや教員免許を取得
〇現在は金融関係の企業に勤めています
曺貴裁監督のプロフィール
【ニュースリリース】
— 京都サンガF.C. (@sangafc) December 22, 2021
曺貴裁監督 契約更新のお知らせhttps://t.co/H7SxSJQSij#sanga #京都サンガ #一心 #HUNT3 pic.twitter.com/sJY1QuwWyn
まずは、基本情報としてプロフィールを紹介します。
| 名前 | 曺 貴裁 （チョウ キジェ） |
| 生年月日 | 1969年1月16日（53歳） |
| 出身地 | 京都府京都市左京区 |
| 国籍 | 大韓民国 |
| ポジション | DF |
| 肩書 | 京都サンガ監督 |
在日韓国人3世の曺貴裁監督であり、父親は民族学校の要職を務めていたようです。
要職ということもあり、かなり重要なポストを任されていたのではないでしょうか。
曺貴裁監督は湘南でユースを育て上げてた！？
曺貴裁監督と言われると湘南ベルマーレを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
2005年から2008年まで湘南ベルマーレジュニアユースの監督を務めました。
ユース年代の育成には定評があり、日本代表の遠藤航選手や湘南ベルマーレで活躍している古林将太選手を育てました。
特に遠藤航選手の活躍に伴い、湘南ベルマーレ時代の育成がフューチャーされるようになりました。
曺貴裁監督はパワハラで湘南を退任？
先取まとめ
〇弁護士の調査によりパワハラと判断され、湘南ベルマーレを退任
〇流通経済大学のコーチに就任し、初心を取り戻すことができた
〇現在は京都サンガで監督として活躍
2019年10月に曺貴裁監督は10年以上所属した湘南ベルマーレを退任しています。
湘南ベルマーレを長く率いてきた曺貴裁監督はなぜ退任することとなったのでしょうか。
その後、どのように京都サンガの監督に就任したのでしょうか。
パワハラによるJリーグからの出場資格停止処分
2019年8月ごろから曺貴裁監督のパワハラ疑惑が騒がれ始め、外部の弁護士による調査がされました。
曺貴裁監督を含めた関係者に対するヒヤリングや面談が行われ「適正な範囲を超えている」と判断され、湘南ベルマーレにけん責と制裁金200万円が科される結果でした。
また、曺貴裁監督にはけん責と5試合の出場資格停止処分が科されると、処分が明けに行われた記者会見により、退任することを発表しました。
その際の記者会見で曺貴裁監督なりの考えも伺えました。
「とにかくチームを強くしよう、チームを成長させよう、と。自分だけがそういう思いを加速させて、周りの選手やスタッフの本当の気持ち、人それぞれの真実みたいなものを半ば度外視して、本当に見えているものが見えなくなってきたのかなと、考えることが本当に多かった毎日でした」
「選手との関係性やスタッフとの一体感をもっとも大事にしてきたつもりなので、自分のマネジメント力の低さや先見性の無さ、指導者としての浅はかさを自分のなかで痛切に感じているいま、僕が『こうしたい』とか『ああしたい』とこの場で申し上げてもまったく説得力がありません」
引用元：GOAL
「昨年に現役を引退した（大久保）嘉人が、とあるインタビューで『気性の荒い大久保嘉人を演じていた』と話していたのを読みました。……すごく気持ちが分かります。自分の場合は、最初から監督として湘南のすべてを引っ張っていかないといけないと思っていたわけではなくて、自然にそうなってしまった感じでした。例えばお客さんが増えないのは自分のサッカーに魅力がないからじゃないか、新人選手が湘南を選ばなかったのは自分の指導に魅力がないからなんじゃないか……それら全部を自分の責任にしていた。そのくらい湘南に対して責任感を持っていました。
その責任の重さと自分自身への不安感を振り払うために、“強い監督”というキャラクターになろうとしていたのかもしれない。当時は士気を高めるためにも、その方がクラブにとって有益になると思っていました」
引用元：NumberWeb
監督は孤独な立場とよく言われます。
長い間湘南ベルマーレをけん引してきたことにより独裁的になり、曺貴裁監督は孤立してしまったのかもしれませんね。
曺貴裁監督を擁護するわけではありませんが、大きな責任感を背負い、クラブを強くしようと必死になっていたことが伺えます。
流通経済大学のコーチと現在
2019年シーズンの途中で退任してから、しばらくして流通経済大学のコーチに就任することになります。
流通経済大学でコーチをする中で、育成年代の成長や、選手の考えに寄り添うことで、指導者を始めた時の気持ちや初心を取り戻すことができた曺貴裁監督。
プロに行く子たちがインタビューで『曺さんに言われたあの言葉が……』と言って紹介してくれていたんですけど、俺、そんなこと言ったかな？と思うこともあって（笑）。ただ、それだけ僕の言葉を受け止めてくれているんだなと。
引用元：NumberWeb
掛けた言葉や指導内容を覚えてくれることは、指導者としてとてもうれしいことではないでしょうか。
自信がなぜ、指導者になったのかを思い出させてくれるきっかけになりますね。
約1年間のコーチを経て、2021年シーズンから再び、Jリーグのクラブの監督に戻ることになります。
流通経済大学でのコーチ経験により初心を取り戻すことができた曺貴裁監督は自身の力だけでなく、周りの力も利用しながら、就任初年度でJ1昇格へと導きました。
2022年シーズン現在も引き続き京都サンガの監督として活躍しています。
現役時代の成績は？
監督としての印象が強い曺貴裁監督ですが、実はプロとして活躍もしていました。
選手としての経歴
〇小学生：京都市立大原小学校
〇中学性：京都市立大原中学校
〇高校生：京都府立洛北高校
〇大学：早稲田大学
〇社会人：日立製作所（1991～1993）→浦和レッズ（1994～1995）→ヴィッセル神戸（1996～1997）
小・中学生
昔は在日韓国人の多くが民族学校に進学するか、日本語名で日本の学校に通うという選択をします。
在日韓国人3世として日本で生活していた、曺貴裁監督はサッカーをするために民族学校に進学せず、日本の学校に進学しました。
現在よりもグローバル化が進んでいない時代の中で、在日韓国人が日本人の学校に通うことはさまざまな障害がつきものですが、相当サッカーがしたかったんですね。
京都府立洛北高校
中学を卒業後は、地元京都府の高校である京都府立洛北高校に進学します。
1967年に選手権優勝したことのある古豪です。
残念ながら曺貴裁監督は高校3年間で選手権に出場することはできませんでしたが、早稲田大学へ進学し、大学サッカーで活躍します。
プロとしてのキャリア
1991年に大学を卒業すると日立製作所に就職し、サッカーを続けました。
日立（柏レイソル）、浦和レッズではレギュラーとして活躍しますが、優勝などのタイトル獲得することはできませんでした。
その後、6年間プロとして活躍をしますが、1997年についに現役生活から引退します。
個人的なタイトルの獲得やクラブとしてのタイトルもなかったようです。
名将曺貴裁の監督としての成績は？
現役時代には主要タイトルを獲得することができなかった曺貴裁監督ですが、監督としての成績はどうなのでしょうか。
指導歴
〇川崎フロンターレ トップチームアシスタントコーチ（2000年）
〇川崎フロンターレ U-15監督（2001年～2003年）
〇セレッソ大阪 トップチームヘッドコーチ（2004年）
〇湘南ベルマーレ U-15監督（2005年）
〇湘南ベルマーレ U-18監督（2006年～2008年）
〇湘南ベルマーレ トップチームヘッドコーチ（2009年～2011年）
〇湘南ベルマーレ トップチーム監督（2012年～2019年10月）
〇流通経済大学サッカー部 コーチ（2020年3月～）
〇京都サンガF.C. トップチーム監督（2021年～）
2014、2017年にJ2優勝、2018年にはJリーグカップ（ルヴァンカップ）優勝を果たしています。
そして、個人タイトルとしては京都サンガでJリーグ最優秀監督賞（J2）を受賞しました。
フォーメーションや戦術
湘南ベルマーレ時代は3-4-2-1を主なフォーメーションとして使用しています。
また京都サンガを率いてからは（2021、2022年）4-1-2-3が基本フォーメーションとなります。
湘南ベルマーレの監督に就任してから数年は3-4-2-1を基本として、いろいろなフォーメーションを試していたことが伺えます。
戦術、湘南スタイル
曺貴裁監督の戦術と言えば、堅守速攻でミスを恐れずにアグレッシブに攻撃をしかける湘南スタイルです。
湘南ベルマーレから京都サンガにクラブを変えてからフォーメーションは変わりましたが、基本的なスタイルは変わっていません。
2022年シーズンはJ1昇格組として得点数が増えず苦しんでいますが、曺貴裁監督のスタイルがハマれば、爆発的な得点が期待できるかもしれませんね。
曺貴裁監督の評価は20/25点
それでは、デスラジおじさんなりの評価をします。
ポイント
〇戦術：湘南スタイルと呼ばれる独自のスタイルはあるが、J1では安定して勝てず苦戦している印象
〇コミュ力：パワハラ問題があり、選手やスタッフとのコミュ力は一時は低かったが、大学での学びに期待したい
〇采配：J2での優勝経験や最優秀監督賞を受賞していることからも采配に問題はない
〇選手の成長：ユース年代の育成を長く勤めていたことや遠藤航選手を育て上げたことから選手の成長には定評がある
〇魅力：一時は監督から離れたが、今後の復調に期待したい
曺貴裁監督子どもは、家族は？
曺貴裁監督の奥さんや子どもの画像はありませんでしたが、ご結婚をされていて、2019年時点で高校受験を控えている娘がいることがわかっています。
しかし、息子さんもいるのか？娘さんは何人いるのか？などの詳細な情報は不明であり、わかり次第更新ます。
曺貴裁監督についてもっと知りたい方は本がおすすめ！
今回の記事で曺貴裁監督に興味を持った方はこちらの本がおすすめです。
やはり名将と呼ばれるだけはありまして、実は曺貴裁監督にまつわる本は三冊もあるんです。
まとめ
今回の記事では曺貴裁監督の事件や戦術、フォーメーション、子どもなどを紹介しました。
今後の曺貴裁監督の活躍に期待したいですね。
そのほかのクラブの監督を知りたい方は、ぜひ、ほかの記事も読んでみてください。
参考URL
https://www.sanga-fc.jp/news/p/16492/
https://number.bunshun.jp/articles/-/818830?page=2
