1993年、Jリーグが開幕した年にオリジナル10として参画していた鹿島アントラーズ。
紆余曲折ありながらも地域住民、自治体、地域の企業とともに作り上げられ、現在ではJリーグの最多優勝を誇る日本を代表するサッカークラブとなりました。
今回はそんな鹿島アントラーズの運営会社である株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーについての歴史や売り上げなど、会社としての鹿島アントラーズについてまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。
今回の記事ではわかることは以下の内容です。
この記事でわかること
〇株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの歴史について
〇株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの売上や運営について
〇株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの株主やスポンサーについて
この記事の信憑性は以下の内容です。
この記事の信憑性
〇小学生からサッカーをはじめ社会人リーグでもプレー
〇大学時代は指導者を目指し、地元クラブのコーチや教員免許を取得
〇現在は金融関係の企業に勤めています
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの沿革
まずは株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの基本情報や沿革、歴史についてまとめます。
先取まとめ
〇大阪の住友金属工業株式会社に蹴球同好会が鹿島アントラーズの前身
〇鹿島アントラーズの歴史を知るためには「鹿島アントラーズ誕生物語」が必読
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの基本情報
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの基本情報になります。
企業名 | 株式会社鹿島アントラーズFC |
設立 | 1991年10月 |
所在地 | 茨城県鹿嶋市粟生東山2887番地 |
資本金 | 22億6000万円 |
事業内容 | プロフットボールクラブの運営 オリジナルグッズの販売 etc |
鹿島アントラーズは「島」ですが、所在地は鹿「嶋」市になります。
もともと鹿島アントラーズは鹿島町(現鹿嶋市)、神栖町(現神栖市)、波崎町(現神栖市)を中心とする近隣地域をホームタウンとして始まりました。
その後、平成7年に鹿島町と大野町が合併する際に、佐賀県に鹿島市あったために、鹿嶋としました。
そのため、1991年に設立された鹿島アントラーズと所在地の表記が異なっています。
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの歴史
続いて株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの歴史になります。
古くは株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの前身である、大阪の住友金属工業株式会社に蹴球同好会が発足したことから始まります。
1947年に蹴球同好会は発足されていますので、日本中が貧しく、これから復旧をしていこうとする中での誕生と古くからの歴史があります。
簡単ではありますが、Jリーグが開幕された1993年までの沿革をまとめます。
1947年 | 住友金属に蹴球同好会が発足 |
1956年 | 蹴球団に昇格(会社からの援助を受ける) |
1975年 | 茨城県鹿島市に移転 |
1985年 | 日本1部リーグへ昇格 |
1991年 | 株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの設立 |
1993年 | スタジアムの完成、Jリーグ開幕、Jリーグ初代チャンピオン |
鹿島アントラーズ誕生物語
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの歴史を語るうえで、鹿島アントラーズファンであれば、必読しなければならない「鹿島アントラーズ誕生物語」。
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの前身である住友金属時代から始まり、Jリーグへの参画をするため苦労の連続を描いた物語になっています。
全19話の構成で、20分もあればすべて読むことができますが、内容は濃く、読んでいる途中で鳥肌が立ってしまうほど感動をしました。
特に「DRAMA Vol.12 夢を追う者たち」で現在の浦和レッズを押し出していた三菱グループから協力を快諾してもらったシーンは痺れますよ。
常勝軍団のイメージが強い現在の鹿島アントラーズからは想像のできない崖っぷちからの努力の逆転劇になっていますので、ぜひ読んでみてください。
事業内容や売り上げ、経営状況について
ここまで株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの歴史などについてまとめましたが、ここからは具体的な事業内容や売上についてまとめます。
先取まとめ
〇株式会社鹿島アントラーズは2011年からノンフットボールビジネスに注力し、事業の拡大を図っている
〇株式会社鹿島アントラーズの営業成績は上がり下がりしながら、年々増加している
〇売上はチームの成績に比例している
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの事業内容
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの事業内容は下図のように大きく二つに分けられます。
それでは少し細かく見ていきます。
Football Business
まずは、鹿島アントラーズが試合をした際の入場料や広告料などのサッカーに直接関係のある事業になります。
広告料はスポンサーへ、入場料・グッズはファンやサポーターなどの一般の方へ向けた事業になり、どのクラブも大きく変わらず、Jリーグからの配分金を加えているクラブもあります。
ほかのクラブの情報について興味のある方はこちらをご覧ください。
Non-Football Business
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの事業内容として特徴的なのはこの「Non-Football Business」になります。
これは、病院やジム、サッカー場で行うキャンプなどサッカーとは直接関係のない事業であり、自前のスタジアムを所有している利点を生かしたものです。
スタジアムのある敷地内に鹿島アントラーズのスポーツドクターが診てくれる病院を建て、平日に使用されていないものを事務として利用します。
また、グラウンドではキャンプを開催し、実際にグラウンドで宿泊をします。
この活動は2011年ごろから構想されており、ほかのクラブにはない株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの特徴と言えます。
また、2019年から株式会社メルカリの会長である小泉文明さんが株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの社長に就任し、ITを駆使した事業(投げ銭など)も展開しています。
小泉文明さんが社長に就任してからの新規事業についてはこちらの記事をご覧ください。
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの売り上げ
鹿島アントラーズ・エフ・シーの独自の事業について触れましたが、実際の売上どうなっているのでしょうか。
各事業の営業収入の推移
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの売上高は公式で発表されていなかったため、各事業の営業収入の推移から、事業が成長しているかを確認します。
※百万円単位での数値になり、データの無いものは空欄になっています。
各分野順調に収入を増やしていますが、2011年ごろから2014年にかけて少し下がっていますが、これは鹿島アントラーズの順位と相関がありそうです。
実は、2010年から4位、6位、11位、5位と鹿島アントラーズとしては少し順位を落としていた時期になります。
しかし、基本的には順調に収入を上げていることや2011年からノンフットボールビジネスの効果もあり、その他の収入が増えていることがわかります。
株主やスポンサーについて
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーは非上場ではあるもののいくつかの企業が株式を保有しています。
筆頭株主はメルカリですが、そのほかにはどのような企業があるのでしょうか。
また、どのようなスポンサーから支援を受けているのでしょうか。
先取まとめ
〇株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの社長である小泉文明さんが会長を務めるメルカリが筆頭株主
〇地域密着型の鹿島アントラーズはやはり地方自治体も株式を保有している
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの株主
2022年5月13日に株式の保有割合を発表しています。
メルカリ | 71.2% |
LIXIL | 10% |
日本製鉄 | 7.1% |
地方自治体 | 5.0% |
やはり、メルカリが多くの株式を保有していますが、地方自治体も思っていたより株式を保有していました。
しかし、「鹿島アントラーズ誕生物語」を読んだ後ですと、もっと地方自治体に株式を保有してほしかったという想いもあります。
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーのスポンサー
オフィシャルスポンサーには株式も保有しているLIXILをはじめ、YellowHatやNIPPON STEELなどの大手企業が15社支援をしています。
また、オフィシャルスポンサーに加えて、クラブパートナーやサプライヤーとしても数十社からの支援を受けています。
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの従業員数や採用、求人、年収について
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーは求人情報を明確にしていますが従業員数はどこにも公表はしていませんでした。
従業員については情報が公開され次第、追加で紹介します。
採用情報や求人、年収について
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの採用する職種は以下のものになります。
主なスポンサー
〇MD責任者
〇コーポレートソリューションプランナー
〇地域社会連携(ツーリズム兼スポーツセンター運営管理担当)
どの職種も年収(給与)については要相談となっており、新卒で入社するというよりはスキルを持った即戦力を中途採用しているといったものになります。
鹿島アントラーズが好きでスキルのある方はぜひ挑戦してみてはいかかでしょうか。
MD責任者
まずは、MD責任者の求人情報になります。
MDとは商品化事業のことであり、鹿島アントラーズのMD責任者は単に、消費者の欲求・要求に対するものづくりをするだけではなく、「ブランドづくり」をすることになります。
業務内容 | ・鹿島アントラーズのブランド価値を最大化するMD戦略立案、実行、商品の売上管理、在庫管理および売上を最大化する施策実行(EC含む) ・ブランドやキャラクターを軸とした商品の企画開発~販売 ・Jリーグや他ブランドなどのステークホルダーとの折衝 |
必須スキル | ・鹿島アントラーズのミッションとブランドへの共感 ・MDにおける商流理解(商品の売上、在庫管理経験) ・アパレル、玩具、文具…など有形物の商品開発・販売経験 ・市場やトレンドのリサーチ・分析経験(SNS含む) ・ECを含むグッズ販促プランニング、年間収支計画と実行、定期的な予実トレースのオーナーシップを持った経験(規模は問わず) |
歓迎スキル | ・プロスポーツチームでのMD経験 ・Eコマース事業設計・運営、MDプロモーション経験 ・IPを用いた商品化企画・開発経験 ・デザイナーや生産工場とのリレーション |
求める人物像 | ・アントラーズのブランドを正しく理解しアウトプットできる方 ・クラブのミッション実現に向けて、業務の本質を捉えられる方 ・チームワークと組織としての目標完遂を両立できる方 ・プロフェッショナルとして高い当事者意識を持ち、企画立案から実行までを推進できる方 ・既成概念にとらわれず、スポーツビジネスにおいて新たな価値観を求める方 |
コーポレートソリューション プランナー
次にコーポレートソリューション プランナーになります。
これは社員のパフォーマンス向上のために、ITソリューションの導入を行う職種になります。
業務内容 | ・システムの導入検討、導入に伴う運用設計、関係業務のBPR(業務改善)の策定・実行 ・グループウェア(Google Workspace, Slack, rakumo)等の運用管理 ・ソフトウェア(またそのアカウントやライセンス)やIT機器の購買・調達・資産管理・運用方法の策定と実施 ・社内サービス・ヘルプデスク業務フローの策定 ・その他、オフィスファシリティ周りの管理や調整全般 |
必須スキル | ・鹿島アントラーズのミッションとブランドへの共感 以下のいずれかのご経験 ・社内SE、社内IT、情シス、ヘルプデスク(ITサービスに関わる)のご経験 ・IT系コンサル、システム導入プロジェクトの参加経験 |
歓迎スキル | ・IT全般(IT機器、インフラ、アプリケーションなど)の設計・導入・運用・管理のいずれかの経験 |
求める人物像 | ・既存のものにとらわれずに、課題の本質を捉えて業務に落としこむことができる方 ・細かいところに気が付き、進んで動ける方 ・周りの人と丁寧にコミュニケーションをとり、課題解決を推進できる方 ・チームワークを意識し、組織としての目標完遂を両立できる方 |
地域社会連携(ツーリズム兼スポーツセンター運営管理担当)
最後に地域社会連携になります。
鹿島アントラーズではフットボールビジネスだけでなく、病院やジムの運営などノンフットボールビジネスにも幅広く関わり事業を運営しています。
業務内容 | ・募集型企画旅行、受注型企画旅行の企画および営業 例)スポーツ合宿・大会、企業研修、教育旅行、着地型旅行商品(オプショナルツアー)…等 ・地域型を含むインバウンドツーリズムの企画および営業 ・カシマサッカースタジアムやカシマスポーツセンターを活用した事業設計・運用 ・カシマスポーツセンターの管理業務 ・スポーツ、イベントなど各種興行の誘致 ・Jリーグや行政などのステークホルダーとの交渉・折衝、社内各部署との調整業務 ・スポーツ振興・地域貢献におけるイベント企画立案、施策運営 |
必須スキル | ・鹿島アントラーズのミッションとブランドへの共感 ・旅行業または観光業での企画・営業の経験 |
歓迎スキル | ・総合旅行業務取扱管理者(もしくは国内旅行業務取扱管理者) |
求める人物像 | ・高い当事者意識を持ち、企画立案から実行までを推進できる方 ・チームワークを意識し、個人及び組織としての目標完遂を両立できる方 ・周りの人と丁寧にコミュニケーションをとり、課題解決を推進できる方 ・クラブのミッション実現に向けて、業務の本質を捉えられる方 ・細かいところに気が付き、進んで動ける方 |
鹿島アントラーズをもっと知りたい方へ
株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの歴史から売上まで紹介をしましたが、まだまだ知りたいという方や興味を持った方はぜひこちらもご覧ください。
主な著書
〇頂はいつも遠くに 鹿島アントラーズの30年(集英社)
〇KASHIMA ANTLERS 30th ANNIVERSARY BOOK
〇KASHIMA ANTLERS YEARBOOK 2022
まとめ
今回の記事では株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シーの設立までの歴史や売上、運営、経営状況などについてまとめました。
この記事を読んでいただいたうえで、Jリーグを見ていただくと普段とは違った見方もできるのではないでしょうか。
鹿島アントラーズの監督や社長がどのような方か興味を持った方はこちらの記事もどうぞ!
鹿島アントラーズ以外のクラブ運営を見たい方は以下の記事も一緒にご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました。